突発性難聴は聴力の低下だけでなく、「音が二重に聞こえる」「片耳だけ遅れて聞こえる」といった聴覚のゆがみ(ダブり・エコー感)を伴うことがあります。今回は、左耳の遅延・二重音が短期間で改善した症例をご紹介します。
患者プロフィール|突発性難聴・聴覚のゆがみの症例
- 患者:女性・50代
- 来院時期:2024年12月
- 主訴:左耳が二重に聞こえる/遅れて聞こえる、仕事での聞き取り困難
- 職業:コールセンター勤務
発症から来院までの経過
12月8日、勤務中にヘッドホンの音が二重に聞こえ、電話のコール音も左だけ遅れて聞こえるようになり耳鼻科を受診。突発性難聴と診断され、専門のA耳鼻咽喉科へ。点滴(ステロイド)と薬(アデホスコーワ、プレドニン)を継続するも効果を実感できず。ネットで当院を見つけたものの予約が取れず、地元の鍼灸院やカイロも受けたが変化なし。12月21日に当院を初診。
同時に治療した症状
- 頭痛
- 首・肩・背中の重さ
突発性難聴に対する鍼灸治療と経過
- 1診目:左の首〜肩に広範な緊張。原因を腰にある体幹バランスの崩れと判断し、骨盤調整(腰のツボ)で左半身の緊張が緩和。顎の硬さに対して手首のツボで調整。
- 2診目:「頭痛が出なくなった」「電車のアナウンスが聞きやすい」。耳周囲の緊張の原因を股関節と推測し、足首のツボで調整→耳周りの緊張が大幅に軽減。
- 3診目:耳の詰まり感が消失。
- 4診目:遅れて聞こえる・二重に聞こえる症状が消失。「日常生活は問題なし」。
- 7診目:「違和感なし」を維持し、治療終了。
聴力検査(オージオグラム)の推移


使用した主なツボ
- 養老(L)
- 申脈(L)
- 中渚(L)
症例考察|二重に聞こえる・遅れて聞こえる理由
検査値の低下が小さくても、検査で拾いきれない特定周波数の抜けや、首肩周囲の過緊張による内耳の血流低下などから聴覚の時間差・歪みが起こり、二重音や遅延として自覚されることがあります。本症例は、発症から1か月以内に来院し、体幹(骨盤)・顎・股関節の機能を整えることで耳周囲の緊張が下がり、短期間での改善に繋がりました。耳鼻科の治療と併用しつつ、通院負担の軽減にも寄与しました。
▶ 札幌市の鍼灸による突発性難聴・耳鳴り治療ページ をご覧ください。
突発性難聴と鍼灸に関するよくある質問
Q1. 二重に聞こえる/遅れて聞こえるのは突発性難聴でも起こりますか?
A. はい。聴覚の処理が乱れたり、特定周波数の聴取が不安定になると、ダブって聞こえたり遅れて感じることがあります。検査では現れにくい場合もあります。
Q2. 病院で効果を感じられなくても鍼灸で改善しますか?
A. 個人差はありますが、首肩の緊張や体幹バランス、顎・股関節など関連部位を整えることで、耳の違和感や二重音の軽減がみられるケースがあります。
Q3. どのくらいの回数が必要ですか?
A. 症状や発症からの期間で異なります。本症例は週2回で4回目に日常生活で支障がなくなり、7回で違和感が消失しました。
Q4. 耳に直接鍼をしますか?
A. 当院では耳そのものではなく、手首・足首・体幹・顎など関連点に少数のやさしい鍼を行います。刺激は体調に合わせて調整します。
Q5. 耳鼻科の治療と併用できますか?
A. 併用可能です。服用中の薬や検査結果も踏まえ、安全に配慮して進めます。
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