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伝染性単核症で入院後に発症した突発性難聴(低音性)

伝染性単核症が原因で発症した低音性難聴

突発性難聴は、ある日突然「耳が聞こえにくい」「耳が詰まった感じがする」といった症状が現れる病気です。

耳鳴りやめまいを伴うこともあり、不安に感じて受診される方が少なくありません。

一般的には中高年に多いとされていますが、実際には10代や20代といった若い世代にも発症することがあります。特にストレスや体調不良、感染症後の体力低下が引き金になるケースも少なくありません。

今回ご紹介するのは、伝染性単核症での入院を経て発症した10代女性の突発性難聴(低音性)症例です。耳鼻科で薬を処方されても改善が乏しかったものの、鍼灸治療を通して短期間で聴力が回復した例をご紹介します。

目次

患者情報

  • 女性 10代
  • 来院:2025年6月

発症から来院までの経緯

2025年6月8日、朝起きると右耳が聞こえづらくなっていました。

3日経っても改善せず耳鼻科を受診。ビタミン剤や血流改善薬(アデホスコーア)が処方されましたが、効果を感じられませんでした。

身体を温めたり半身浴で一時的に改善した感覚はありましたが、すぐに元に戻ってしまう状態。

実はその直前の6月3日まで伝染性単核症で入院しており、6月7日に学校へ復帰した翌日に難聴を発症しています。

アルバイトでは立ち仕事が多く、肩こりを自覚。右こめかみに片頭痛もあり、小学生の頃には顎関節症と診断されカイロプラクティックに通っていた経験もありました。

母親がインターネットで当院を知り、紹介を受けて来院されました。


併発していた症状

  • 肩こり
  • 片頭痛(右こめかみ)

初診時の所見と治療

首肩を触診すると、耳周囲に突発性難聴特有の強い緊張を確認。

治療の流れ

  1. 耳の緊張を緩める目的で、関連する足のツボに鍼 → 耳周囲が緩和。
  2. 右股関節に強い緊張があり、足首のツボに鍼 → 股関節の緊張が消失し、耳の緩みがさらに強まる。
  3. 僧帽筋にも緊張があったため、手のツボに鍼 → 緊張が取れると同時に「聞こえが良くなっている」と患者が実感。

この日の治療はここで終了しました。


経過と結果

  • 翌朝:「治ってる」と自覚。
  • 翌日の耳鼻科検査:「正常値になったので通院不要」と診断。
  • 5日後に2診目:予防目的で前回と同じ施術を行い、肩こりが緩和されたのを確認。治療終了。

聴力検査の推移

6月10日の検査

6月17日の検査

添付のオージオグラムの通り、初診時には低音域に難聴がありましたが、治療後は正常範囲に回復しました。


使用した主なツボ

  • 光明(右)
  • 申脈(右)
  • 中渚(右)

考察

低音性難聴を含め、突発性難聴は高齢者に多いイメージがありますが、今回のように10代・20代での発症も珍しくありません。

その背景には、肩こりが若年層でも強く出やすいことが関係していると考えられます。

今回は、症状が出てから1週間以内に来院していただき、早期に治療を開始できたため、1回の施術で回復するというスピード改善が可能になりました。

鍼治療は突発性難聴に対して改善の確率が高い施術であることを広く知っていただき、できるだけ早く治療を開始できる体制を整えていくことが重要です。

まとめ

低音性の突発性難聴は、めまい・耳鳴りを伴うことが多く、再発や慢性化のリスクも指摘されています。

しかし本症例のように、早期に鍼灸治療を開始することで短期間で改善に至るケースもあることが示されました。

札幌で突発性難聴や耳鳴り、低音性難聴にお悩みの方は、鍼灸治療を選択肢の一つとしてご検討ください。

突発性難聴・低音性難聴に関するQ&A

Q1. 低音性難聴と突発性難聴の違いは何ですか?

A. 突発性難聴は、ある日突然耳が聞こえなくなる病気で、原因は不明とされています。

一方で低音性難聴は、特に低い音(125〜500Hz)が聞き取りにくくなるタイプで、耳の詰まり感やめまい、耳鳴りを伴うことが多いです。今回の症例は「低音域が落ちた突発性難聴」にあたります。


Q2. 伝染性単核症の後に難聴が起こることはありますか?

A. はい。伝染性単核症はウイルス感染による全身の免疫低下やリンパ節の腫れを伴います。

体力が落ちたタイミングで耳の血流や神経に負担がかかり、突発性難聴や低音性難聴を発症することがあります。


Q3. 病院での薬(ビタミン剤や血流改善薬)が効かない場合、鍼灸で改善しますか?

A. 薬の効果を感じられない場合でも、鍼灸で耳周囲の緊張を緩め、血流や神経の働きを整えることで改善する例があります。今回の患者さんも、薬では変化が乏しかったものの、鍼灸で短期間に正常値へ回復しました。


Q4. 鍼灸では耳に直接鍼を打つのですか?

A. 多くの場合、耳そのものには鍼をせず、足首・手・肩・股関節まわりのツボを使って全身のバランスを整えます。これにより耳の血流や神経の働きが改善されます。


Q5. 低音性難聴は再発しますか?

A. 低音性難聴はストレスや疲労、体調不良で再発することがあります。

鍼灸治療で体全体の緊張を和らげ、予防的にケアを続けることで再発リスクを下げられる可能性があります。


Q6. 鍼灸で耳鳴りや肩こりも一緒に治せますか?

A. はい。耳鳴りや肩こりは自律神経や筋肉の緊張と深く関係しています。鍼灸で全身のバランスを整えると、耳鳴りや肩こりが軽減される例が多くあります。今回の患者さんも「肩こりが楽になった」と感じていました。

施術料金(税込み)

初回:7,700円

(初診料1,100円+施術料6,600円)

2回目~:6,600円

ネットでご予約いただくと、初診料が免除され、初回の施術料金7,700円が6,600円となります。

営業時間

※完全予約制です。来院前に必ずご連絡ください。

月曜日:休診

火曜日:9時〜12時 13時30分〜19時

水曜日:9時〜12時 13時30分〜19時

木曜日:13時30分〜19時(午前休診)

金曜日:9時〜12時 13時30分〜19時

土曜日:9時〜12時 13時〜18時

日量日:休診

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