鍼灸の副作用を理解して、鍼灸を上手に利用しよう。

鍼灸の利用

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鍼灸を初めて受ける人

「鍼灸って副作用が無いって言うけど本当かな?」

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[st-kaiwa4]鍼灸をはじめた受けた人

「初めて受けてみたけど、これって副作用?どうしたらいいの?通い続けてもいいの?」[/st-kaiwa4]

こういった疑問にお答えしていきます。

本記事の内容

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・鍼灸の副作用にはどんなものがあるか

・鍼灸の副作用への対応

・鍼灸師の技量と副作用

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この記事を書いている私は、鍼灸師であり、国立大学医学部修士課程を修了した医学修士です。

臨床に携わりながら、鍼灸の有効性を医師と共同研究しています。

医学的にも有効性の高い鍼灸を安心して利用していただくため、本記事では、初めての方が不安を抱きやすい「鍼灸の副作用についての疑問」についてお答えしていきます。

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鍼灸に副作用が無いって本当?

鍼灸の副作用は少ない1

「鍼灸を含めた東洋医学は副作用が無い」といった宣伝文句を目にする事があります。しかし、これは正しくありません。

薬剤の副作用と比べると、身体には小さい影響ではありますが、東洋医学にも副作用はあります。健康に良いとされる甘くて美味しいチョコレートだって、バケツ一杯飲んだら人間は死にます。

量と使い方を誤れば、どんなに健康に良いものでも、身体に悪影響を与えます。

鍼灸の副作用にはどんなものがあるのか

意外かも知れませんが、ドイツは鍼灸治療が盛んに行われています。研究も盛んで2001年から2003年に、患者50万人(治療回数400万回以上)という鍼灸の副作用についての大規模な調査が行われました。調査の結果として、次のような副作用が報告されています。

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・倦怠感(全体の0.02%)

・頭痛(全体の0.01%)

・疼痛(全体の0.01%)

・めまい(全体の0.009%)

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全体の数から言うと、副作用が出る確率は非常に低いと言えます。少ないとは言え、発生することはあります。症状だけ知っても不安になるだけなので、一つずつ解説していきます。

鍼灸の副作用①倦怠感

鍼灸治療は、筋肉の緊張を緩めるのが得意です。筋肉が大きく緩むと、副交感神経の働きが優位になります。副交感神経は、身体を休めるときに働く自律神経です。そのため、鍼灸治療の後、眠気やダルさを感じることがあります。これは、少し休憩すれば回復する程度のものです。

鍼灸治療の刺激量が多いと、倦怠感を感じやすいことが分かっています。倦怠感を感じやすい方には、鍼の本数や時間を減らすことで倦怠感の発生を予防することができます。

鍼灸の副作用②頭痛

鍼灸治療によって頭痛が起こる原因は2つ考えられます。治療により頭部の血管が拡張すること。もう一つは、首や肩など頭部に近い部位への強い刺激により緊張が増すこと。どちらにしても、時間を置けば回復します。

頭部近辺への施術を避けることで予防ができます

鍼灸の副作用③疼痛

疼痛とは痛みのことです。「鍼(はり)をしたときの痛み」「治療後に残る痛み」に分けて考える必要があります。

鍼灸治療に使われる鍼(はり)は非常に細いものです。注射器の4分の1程度しかなく、どちらかというと蚊の針に近いイメージです。そのため、鍼灸治療に使う鍼は痛みを感じにくくなっています。鍼をする瞬間に毛抜きで毛を抜いた程度の痛みを感じることはありますが、長時間残ることはありません。

治療後の痛みに関しては、さまざまな要因が考えられます。

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  • 鍼をして動きが良くなり、今まで動かなかった所が動いて出てくる痛み。
  • 治療中、同一姿勢が長時間続いた事による痛み。
  • 鍼の刺激が強すぎたことによる痛みの残った感じ。

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など。

どれも、長時間残る可能性は少ないものです。鍼灸師が、鍼治療による動きの変化をあらかじめ説明する、必要以上に施術に時間をかけない、乱暴な施術をしない、ことで予防できるものです。

注意していただきたいのは、鍼治療の鍼で神経に障害が残るほどの傷がつくことはほぼ無いということです。

鍼治療の鍼は細い上に、中が空洞の注射器の針とは違い、先細りになっているため、末梢神経を傷つける可能性は非常に少ないと明治鍼灸医療大学の研究で報告されています。

鍼灸の副作用④めまい

東洋医学では、鍼灸治療後のめまいや倦怠感を瞑眩反応と呼んでおり、この現象は古くから知られてきました。鍼灸の副作用①倦怠感で説明したように、鍼をすると副交感神経が優位になります。副交感神経の高まりは血圧の低下を招きます。急激な血圧の低下は強いめまいを生じさせます。これも、休息すれば回復するものです。

鍼灸の鍼治療で副作用が少ない秘密はここにある

鍼灸による副作用で局所的なもの

「鍼をすると出血するのではないか?」というイメージがあると思います。鍼治療による出血はほとんどありません。2000件に1件ほどのペースで発生することがありますが、脱脂綿などで圧迫すればすぐに止まる程度で、健康に影響はありません。

以前は、意図的に出血させる治療法もありましたが、感染症の問題などから、現在は法律上禁止されています

また、2000件に1件ほどの割合で軽い内出血をする事があります。いわゆる「青たん」のように青いあざが出来ますが、2〜3週間程度で消えるものです。

鍼灸師は、内出血を防止するため、血管を避けて施術しますが、人間の毛細血管は複雑かつ個人差が大きく、一定の割合で内出血は発生してしまいます。美容の鍼などで顔に鍼を受ける場合は、リスクがあることを知っておくべきです。

気胸や感染症は鍼灸の副作用ではなく医療事故

鍼灸の副作用の中に気胸感染症を含める方もいらっしゃいます。現代の鍼灸教育では、気胸と感染症を起こさないよう徹底的にたたき込まれます。また、これらを防止することはそれほど難しいことではありません。正統な施術に伴う身体への影響が副作用であるならば、正統な施術をしていれば避けられるはずの気胸や感染症は医療事故に分類されるはずです。

現代の鍼灸院で、気胸や感染症が発生することは、ほとんどありません。数年前に発生した鍼治療による気胸の事例は、鍼灸免許を持たない施術者によるものでした。

鍼灸師は国家資格です。鍼灸師がきちんと免許を保持しているかを確認するのも、適切な治療を受けるためには重要です。

鍼灸の副作用と好転反応

東洋医学関連で、好転反応という言葉を目にする事があります。

「施術によって一時的に症状が悪化するが、その後、良くなるために必要な反応」という意味で使われています。しかし、施術が適切では無く、ただ悪化させた場合の言い訳として使われることも多く、厚生労働省からも注意が喚起されています。

今まで見てきたように、鍼灸治療による副作用は軽いものが多く、長期間続くものではありません。また、鍼灸師が刺激量をコントロールすることで、予防することが出来ます。施術を受けて調子が悪くなった場合、鍼灸師に相談して、調整してもらいましょう。その際、「好転反応」を殊更に強調したり、危険な施術を繰り返すようであれば、通院を考え直すのが賢明な判断と言えます。

鍼灸を上手に利用するために

鍼灸は危険性が少なく、効果の高い治療法です。症状によっては、薬や手術よりも医療的な有用性が認められるようになってきました。

鍼灸の副作用の危険性は非常に低いものですが、不安があったら鍼灸師に遠慮無く相談しましょう。技術のしっかりした鍼灸師であれば、刺激量をコントロールして副作用を予防するのは、それほど難しいことではありません。

医師がそうであるように鍼灸師も、個々の技術に大きな差があります。副作用について適切な予防がされていなかったり、あなたの訴えに対応しようとしない鍼灸師は技術が低い可能性があります。技術があれば、少ない鍼、少ない刺激で結果を出すことが出来るはずです。

副作用を必要以上に恐れる必要はありませんが、副作用が起こった際の鍼灸師の対応で、鍼灸師の技量を見抜くことが出来ます。通院を続けるかどうかの目安にしてみてください。

まとめ

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  • 鍼灸には副作用があるが、発生する件数は少ない。
  • 鍼灸の副作用の代表的なものに、倦怠感、頭痛、疼痛、めまいがある。
  • 副作用が起こっても、長時間続くことはほとんどない。
  • 副作用への対応で、鍼灸師の技量がわかる。

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鍼灸と鍼灸師について知ることで、上手に鍼灸を利用して下さい。

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